「由梨ちゃん、ごめんね。

泣かせてごめんね…」


朝日さんの腕の中はあたたかくて、私はそっと朝日さんのシャツにしがみついた。


朝日さんがぎゅっと抱きしめてくれる。


朝日さんの鼓動が聴こえる。


あの日使ったシャンプーの香りがする。


「どうして僕は、こんなに由梨ちゃんが気になるんだろう?

どうして会いたくなるんだろう?」


電話とは少しトーンの違う朝日さんの声が、私のすぐそばで聞こえてる。


こんなに近くにいることが嬉しくて、でもせつなくて、また涙が溢れてくる。


「会ったらハッキリしたよ…」


え……?


思わず朝日さんを見上げた。


「やっぱり僕は、由梨ちゃんが好きなんだ…」


朝日さんは私の頬を両手で優しく包み込むと、


綺麗な顔をゆっくり近づけて


私の唇にそっと唇を重ねた。