澄んだ優しい声に振り返ると、淡い黄色のシャツを着た朝日さんが立っていた。


「偶然だね」


「本当、良く会いますね」


これが運命の相手なら嬉しかったけど。


「休憩中?」


「はい。朝日さんは?」


「仕事帰りなんだ」


朝日さんが普通に話すから、私も出来るだけ普通に接した。


私だけなのかな?


ドキドキしてるのは。


「ねぇ、由梨ちゃん」


「はい」


「今夜、会えない?」


え…?


それってどういう…?


「あの…」


ぎこちなく問いかければ。


「会いたいんだ」


真っ直ぐに私を見つめる朝日さん。


その視線に私は息をするのを忘れた。


「会える?」


ど、うして…?


心臓がバクバク鳴るなか、私は何も言えずに、ただコクンと頷いた。