「1年の時から、ずっと三人で一緒に過ごしていて。

僕も夏樹も早い段階からありさが好きで、お互いその気持ちに気づいてたんだ」


ありささんって、本当に可愛らしいもんな。


二人が好きになる気持ちが、すごくよくわかる。


「ありさは僕らの事を友達だと思ってたみたいだけど、大学2年の12月に思い切って告白したんだ。

そしたらありさ、オーケーしてくれて。

どれだけ嬉しかったかわからないよ」


そう言って朝日さんがクスリと笑う。


「だけどさ…」


「ん?」


「その頃からかな。

夏樹の態度が、明らかに変わったんだ。

僕らのこと、避けるようになって。

サークルで会う時は話すけど、それ以外ではほとんど話す機会がなくなったんだ」


社長の気持ち、なんとなくわかるな。


二人の付き合ってる姿なんて、見たいはずないもの。


「そうしたら、いつの間にかアイツ交換留学でイタリアに行っててさ。

3年生の時は日本に居なかったよ」


逃げるようにイタリアへ行ったって言ってたものね。


「帰国してからは、もうアイツはサークルには顔を出さなくなった。

でも、会えば普通に話してくれてた。

ありさが三人で会いたいと言えば、会ってくれたし。

だけどアイツの方から誘ってくる事は、絶対なかったんだ。

僕とアイツは今でもそういう微妙な関係。

だから、そう親しげには会えないんだよ」


「そう、だったんですね…」