「沙希先輩~。入口にお客様が来られたみたいですよ~。

クローズ出してるのに、誰でしょうか?」


美香に言われて店内をちらりと見ると、確かに誰かが来ている気配。


「ホントね。あたし、ちょっと見てくるわ」


あたしは席を立ち、店内へと向かった。


「いらっしゃいませ。あの、ご用件は何でしょうか?」


あたしの目の前に立つ一人の女性。


背がスラッと高く、華やかなロングのヘアスタイルが印象的で。


かっこいいスーツをビシッと身にまとい、なんだかものすごいオーラを放っている。


思わず見とれていると…。


「沙希、久しぶりだね」


え…?


あたしのこと知ってる?


「あの、どちら様でしょうか?」


あたしの知り合いに、こんな美人はいないけどな。


「えっ、やだ。忘れちゃったの?ショックだよーー」


ん?


この声、聞き覚えがある。


えぇっ、まさか……!


「沙希、私だよ。由梨だよ、由梨」


「えっ、えーーー?うそっ!由梨なのー?」


「そうだよ。なつかしいな」


「ちょっとアンタどうしたのーーー?
めちゃくちゃ綺麗になって!
まるで、別人みたいじゃーーーん」


マジで気づかなかったよーーー。