歩いてアパートに帰ると、すぐにシャワーを浴びた。


「はぁ…」


思わずため息が漏れてしまう。


いつもクールで、私のことなんて一切関心のない社長だけど、昨日はいろんな表情を見せてくれた。


ありささんのことをずっと思い続けていて。


社長がそんなに一途な人だとは思いもしなかった。


覆い被さって来た時に見た、あのせつなそうな顔が忘れられない。


『行くな』って言って、掴まれた腕の感触にすごくドキドキした。


今日お店に行ったら、一体どんな顔をして会えばいいのだろう……。