俺は由梨に気づかれないように、ちらりと横目で由梨を見た。


秋風が由梨の少し赤い髪をゆらゆらと揺らしている。


目力のあるキリッとした綺麗な顔だと思う。


俺は昨夜の由梨を思い出していた。


マジですごかった。


豊かな胸、引き締まったウエスト、形の良いヒップに、長く綺麗な脚。


予想はしてたけど、やっぱり完璧な身体だった。


あんな可愛い声出しやがって…。

 
やべぇ。外なのに押し倒しそう。


「どうしたんですか?夏樹さん。頭なんて掻きむしって…」


「……なんでもねぇよ」


俺っていつからこんなキャラになったんだろう…。


由梨のせいで、俺のクールなイメージが崩壊しそうじゃないか。


こんなんじゃダメだ!


「ど、どうしたんですか?いきなり腹筋ですか?」


「やっぱりおじさんはイヤだ!鍛えてやるっ」


俺はがむしゃらに腹筋運動を繰り返した。


「効果的にやるなら、こっちの方がいいです。
ちょっと膝を立ててください」


「え?」


「はい、頭と両腕と両足を同時に上げてくださーい。お腹に力入れてっ」


「こ、こうか?」


き、きつい…。


「はい、そのまま両腕を上下に10回振りまーす。1、2、3、4…」


何?この状態。


あぁ、そうだった。


コイツってこういう指導が出来るんだった。


く、くそー。鬼め…。