「無理強いはしたくないんだ。

お前の気持ちを尊重する。

お前が決めろ」


そんなに色っぽくてせつない顔で言われたら、拒む方が難しいのに…。


どうしよう。


どうしたらいいのかな…。


身体を触れ合うと、こんなに胸が高鳴るなんて知らなかった。


こんなに幸せな気持ちになるなんて…。


それはきっと…夏樹さんだから…。


「夏樹さんが好き…」


「由梨…」


「後悔は…しません…。

夏樹さんじゃなきゃ、いや…」


言った途端、なぜか涙が流れた。


気持ちが溢れて止まらない。


「由梨、俺もすげー好きだ…。

お前の全部が欲しい。


いい…?」


私はゆっくりと頷いた。


きゅっと目を細めた夏樹さんが、私をそっと抱きしめて優しいキスをくれる。


その後はただ…。


夏樹さんに全てを委ねた。


もう怖いなんて思わなかった。


軋むベッドの音とシーツの衣擦れの音、夏樹さんの熱い息遣いが部屋中に響いている。


身体中の血液が沸騰したみたいに熱くて、ぐっと下唇を噛んでいたら、夏樹さんが私の耳元で言った。


「声…出せ…。全部、聴かせて…」


「……っ」


夏樹さんの甘い声に、私はたがが外れたみたいにせつなく鳴いた。