夏樹さんはそう言って、私の胸に顔を埋めた。


すごくビックリしたけれど、なぜかもう抵抗しようとは思わなかった。


赤い布の上からそっと優しく触れられて、ビクンと肩が上がる。


ぎゅっと目を閉じていると、急に身体の緊張がゆるんだ。


何だろうと目を開けると、すでに上に身につけていたものは外されていた。


「怖かったら、すぐに言え…」


脳に響くような低く甘い声でそう言うと、夏樹さんは直接私の肌に触れた。


優しく。


まるで壊れ物を扱うように。
 

私の体中を駆け巡る夏樹さんの細長い指。


落とされる唇。


這い回る舌。


それら全てで触れられる場所が、順々に熱を帯びていく。


その甘い刺激に、思わず声が漏れた。


すっかり熱くなった場所も、ついに剥がされ、あらわになった。


その後も夏樹さんは、本当に優しく、私の全てを愛してくれた。


私は頭の中が真っ白で、なんだか何も考えられなくなっていた。


「由梨…。

ここから先はもう俺でも止められない…。

やめるなら今だけど…。


どうする…?」


「え…?」