思わず触れてしまったことが恥ずかしくて、両手で顔を隠した。


だって、だってー…。


すごく素敵なんだもの…。


高校の時、男子の上半身なんて部活の後いくらでも見たことがあるのに。


夏樹さんは全然違う。


大人の男性って感じがする。


すごく色っぽい。


ひとりでドキドキしていたら…。


「スキありっ」


はっ!しまった!!


あっさりズボンを下ろされてしまった。


「やっ、やだやだっ」


「もう遅い~」


そう言って夏樹さんは、私のズボンを遠くへほおり投げた。


「ウソでしょ?もうっ、バカーーー!」


「おまっ、社長に向かってバカとは何だ!俺に向かってそんなこと言ったヤツはお前が初めてだぞ?」


「だって、バカなんだものーーー!」


バカバカバカーーー!


恥ずかしくて、死にそうだよーーっ。


「由梨…」


ぎゅっと閉じていた目を開けると、夏樹さんが優しい瞳で私を見ていた。


「ちょっと黙れよ…」


「だって…」


恥ずかし過ぎるんだもの…。


「お前、すげぇ…。

本当に綺麗だよ…」


え…?


「こんな綺麗な子、俺…初めて見た…」