「誰にも渡したくない…。

俺から離れるな。頼むから…」


夏樹さんの瞳がゆらゆらして、すごく綺麗だ。


「夏樹さんこそ、私のこと離さないでください…」


私はもう…夏樹さん以外の人は…。


「当たり前だ。絶対離さない…」


その言葉が嬉しくて、泣きそうな気持ちをぐっと堪えていたら、夏樹さんの綺麗な顔が近づいて来て、そのまま唇を塞がれた。


触れるだけの優しいキスが、何度も繰り返される。


次第にそのキスは深くなり、自然に絡み合い始めた。


めまぐるしく動くそれも、もうイヤじゃない。


夏樹さんが好き。


大好き…。


しばらく触れ合っていた唇が離されて、少し寂しく思っていたら、その唇が今度は私の首に落とされた。


初めての感触に、ビクンと肩が上がる。


夏樹さんの熱い唇が、私の首筋に優しく何度も触れる。


耳のそばまで来ると、夏樹さんは私の耳たぶを優しく唇で挟んだ。


「由梨…」


甘い声で囁かれ、なんだか身体の力が抜けていく。


パジャマのボタンをひとつ外され、少し出た肩に夏樹さんの唇が優しく触れた。


「あ、由梨」


ん?なに?