「今日のは俺が全面的に悪いけど、もうあんなふうに男と二人で飲むなよ。

お前の電話に男が出て、どれだけ心配したか…」


夏樹さんが悲しい目をしている。


そうだよね。


もし夏樹さんの電話に女の人が出たら、私だったらショックで立ち直れないもの。


「ごめんなさい」


それから、ありがとう。


お店まで迎えに来てくれて…。


「他のヤツには絶対触れさせたくないんだ…」


夏樹さんがふぅとため息をつく。


「夏樹さん、心配し過ぎですよ。大丈夫です。誰も私なんて相手にしませんから」


私の言葉に、夏樹さんの顔が歪んだ。


「お前なぁ、もう少し自覚しろ!

お前、職場の連中や客に狙われてるんだぞ?」


え…?狙われる…?


「お前、ホントにここ数ヶ月ですごく綺麗になった。

俺がそう思ってるって事は、周りの連中も同じように思ってるって事だ。

お前と付き合いたいって思ってるヤツはゴロゴロいるんだよ!」


まさか、そんな…。


「お前は自分が思ってる以上に、華やかで綺麗な女だよ。

お前の目、ゾクゾクするほど色っぽいし。

そんな由梨が俺の彼女なのは嬉しいけど、心配もそれだけ大きいんだ」


「夏樹さん…」