真っ暗な部屋に、ベッドライトの灯りが照らされる。


夏樹さんが先に横になり、腕を広げて待っていてくれる。


その腕に頭を置くように横になると、すかさず夏樹さんに抱き寄せられた。


「良かった。警戒されて、もう一緒に寝てくれないかと思ってた」


私の髪を撫でてくれる夏樹さんの手が心地良くて、私は夏樹さんの胸にそっと顔を埋めた。


「夏樹さん。私、さっき夏樹さんに自分の部屋で寝るかって聞かれて、急にすごく寂しくなったんです」


なんだか拒否されたみたいで、すごく悲しかった。


「それで泣いてたのか。ごめんな。誤解するなよ?
俺だって一緒に寝たかったんだ。
だけど、由梨の気持ちを考えたらそんなこと気軽に言えないだろう?」


その言葉に、胸の奥がキュンとする。


夏樹さんって、やっぱりすごく優しい。


あんなふうに逃げなければ良かった。


「私、もう一人じゃ眠れないかもしれません…」


同じ家に住んでるのに、一人であの部屋で寝るなんてもう…。


「俺ももう無理だ…。由梨が同じ気持ちで嬉しい」


そう言うと、夏樹さんはぎゅっと私を強く抱きしめた。