シャワーを浴びて、酔いを冷ます。


私は髪と身体を念入りに洗った。


夏樹さん、怒らなかった。


怒るどころか、優しかった。


どうして?あんなに迷惑かけたのに。


怒りを通り越して、呆れちゃったのかな。


どうしよう。


すごく不安だよ…。


着替えと歯磨きを終えリビングに行くと、夏樹さんはソファに横になっていた。


そんな夏樹さんのそばに、ゆっくりと近付いた。


夏樹さん眠ってる…。


疲れたんだね、きっと。


「ごめんなさい…」


寝ている夏樹さんの胸にしがみついた。


夏樹さんが好きなのに…。


それなのに私、怖いからって逃げ出して、心配かけて、こんなに迷惑かけて…。


私って面倒臭い女だよね。


悲しくて一人泣いていたら、私の手に夏樹さんの手が重なった。


「由梨…。どうして泣いてるんだ?」


目を閉じたまま、夏樹さんが少し掠れた声で言った。


「だ、だって私。家で待ってるように言われたのに勝手に飲みに行って、しかも夏樹さんに背負ってもらってるのに、帰らないってワガママ言ったりして。

夏樹さんに嫌われたら、どうしようって。

そう思ったら悲しくて…」


あぁ、もうほんとに自分が嫌になる…。