林を自宅まで送り、俺と由梨はやっとマンションに戻る事が出来た。


フラフラの由梨をとりあえずソファに座らせると、俺は先にシャワーを浴びた。


今日は走り回ったり、由梨を運んだりして、汗をいっぱいかいてしまった。


風呂から出ると、さっきより酔いが冷めたのか、由梨はキッチンで水を飲んでいた。


「大丈夫か?」


「はい、大丈夫です…」


「それなら良かった」


俺も冷蔵庫からペットボトルの水を出して飲んだ。


その様子を由梨がじっと見ている。


「どうした?」


俺がそう言うと、由梨が急に泣きそうな顔になった。


「あの…、ごめんなさい。

あんなに酔ったりして…。

心配かけて、本当にごめんなさい」


そう言って由梨は、俺に深く頭を下げた。


素直だよな…。


お前のそういうところが可愛い。


「由梨、いいよ…。今日の事は俺の責任だ。お前は悪くないから…」


「夏樹さん…」


「由梨。気分が悪くないなら、シャワー浴びておいで」


俺の言葉に由梨はこくりと頷いて、風呂場へと向かった。


俺は水を持ったまま、ソファに腰を下ろした。


「はぁ…」


なんか今日は、すげぇ長い一日だった。


さすがに疲れたな。


とりあえず、無事に由梨を連れて帰れて良かった…。


そう思うとなんだか瞼が重くなって来て、俺は自然に目を閉じていた。