「ごめんなさい、秋山さん。

彼女、本当は僕の親戚じゃないんです。

会社の部下で、僕の…大切な恋人なんです。

これからもここで一緒に暮らしますから、よろしくお願いします」


「夏樹さん…」


いいの?そんなこと言っちゃって。


「そうだったんですね。

実はそうなんじゃないかなって、前から思ってはいたんです」


ニッコリ笑う秋山さん。


「えっ、でも正式に付き合うことになったのは、昨日なんですよ?」


夏樹さんは、きょとんとしている。


「んー、なんと申しますか。

お二人がとってもお似合いだったので、ご親戚ではないなと思っていたんです」


なんだ。


親戚じゃないって、バレてたんだ。


そう思うと、なんだかこれまでの自分の行動が恥ずかしい。


「でも、よかったです。お二人の思いが通じ合えたのなら。

もう水沢様に会えないのかと思っていましたから…」


秋山さんって、なんかお兄さんみたいな人だな。


またこうして会えるなんて、本当に嬉しい。


「じゃあ、行ってきます」


「はい、お気をつけて」


秋山さんに手を振って、私達は駐車場へと向かった。