「由梨ちゃん、もしかして警戒してる?」


ドキッと鳴る心臓と共に、私の肩が上がった。


「あの…」


「由梨ちゃん、ちょっとおいで」


朝日さんが私の手を引いて、歩き出す。


向かった先はベッドだ。


「座って」


朝日さんの言葉に、固まる私。

 
カチコチになった身体を無理矢理動かして、私はおずおずとベッドに腰掛けた。


その隣に朝日さんも座る。


ひぃぃっ、近い。


「由梨ちゃん……」


ふぅとため息をつく朝日さん。


「由梨ちゃん、今夜の事が不安なんでしょう?」


「へっ?」


思わず変な声が出た。


「由梨ちゃん、大丈夫だよ。

由梨ちゃんの気持ちが追いつくまで、僕は待てるから。

でも一緒に寝るくらいは、許して欲しいな…」


朝日さんが首を傾けて、私の顔を覗き込んでいる。


「ご、ごめんなさい…。私、男性と付き合った事がないんです。
だから、どうしていいかわからなくて…」


あぁ、恥ずかしすぎる。

 
私ってきっと面倒な女だよね。


「由梨ちゃん、いいんだよ。そんな由梨ちゃんが、僕は可愛くて仕方ないんだから…」


相変わらずの眩しい笑顔に、ボッと顔が赤くなった。


朝日さんってどうしてこう素直にさらっと自分の思いを言えちゃうのだろう。