「んー…」


なんだか、久しぶりにすごく良く寝た気がする。


子供の頃の夢を見た。


お父さんの背中に額をくっつけて寝ていた、幼い頃の自分の夢を…。


ゆっくりと瞼を上げると、目の前の光景に何やら違和感を覚えた。


私の布団カバーって、こんな柄だったっけ?


「えぇっ?」


ガバッと跳ね起きて、キョロキョロと周りを見渡す。


やだっ。


ここって社長の部屋じゃないか!


どういうこと?


昨日、どうしたんだっけ?


眠れない社長のために歌を歌ってあげたところまでは思い出せるのに、その後の記憶がない…。


そうか。


私、いつの間にか眠ったんだ。


ふと横に目をやると、私の隣に人ひとり分のスペースが空いていた。


中に手を入れてみると、まだ少し温かかった。


私ったら、また社長と朝まで眠っちゃったよ…。


三回目ともなると、もうさほど驚かなくなっちゃったな。


こんなんでいいのか?私…。