広めのフィッティングルームに案内されると、いきなり松本さんに上半身裸になるように指示された。


突然の事に心の準備も出来ないまま、私は松本さんにバストの計測をされてしまった。


「もったいないわー」


いきなり松本さんが大きなため息をついた。


「サイズの合わない下着を着て、胸を潰してるのよ。あなた、もっと大きいはずよ。

もったいないわー」


うー、恥ずかしいよー。


一体何なの?これ。


計測は案外早く終わり、私は下着と服を身につけて社長の待つフロアへと戻った。


「どうだった?」


社長が松本さんに尋ねた。


「すごいわー。めちゃくちゃスタイルいい」


「だよなー。もったいないだろ?」


「うん、もったいない」


何を二人でゴチャゴチャ話しているのだろう?


「色とか柄はどうする?」


「んー、ピンクと赤と黒にしてやって。柄は松本のセンスに任せる」


「ん、わかった」


「どれくらいで出来る?」


「本当は三週間はかかるんだけど、久遠君の紹介だから一週間で作らせるわ」


「まじ?ありがとな」


あのー。


さっきから一体何の話をしているのでしょうか…。


「どうした?水沢。ボーッとして」


「あの、社長…。話が全然見えないんですけど」


私がそう言うと、松本さんがクスクスと笑った。


「お前の下着、オーダーしたから」


「はぁ?」