「そうなんですか。すごくお綺麗な方ですね」


「うん、母さんは綺麗な人だったよ。

ちなみに俺は母さん似だ」


「だから男前なんですねって言って欲しいんですか?」


私がそう言うと、社長はクスッと笑った。


でも、きっとそうなんだろうな。


社長が美形なのは、お母さん譲りなんだ。


「なんか夏樹さんのお母様って、ありささんに似ている気がします」


「え…?」


「顔はよく見えませんけど、ここから見てると雰囲気がすごく似てますよ。

色白で髪が長くて細くて可憐な感じが」


私がそう言うと、社長は黙り込んでしまった。


どうしたんだろう?


変な事言ってしまったかな…。


この長い沈黙に、どうしていいかわからない。


「……お前の言う通りだ」


社長が急に話し始めたので、心臓がドクンと音を立てた。


「言われるまで気づかなかったけど、本当だ。
母さんとありさは似てる…。
可憐で守ってやりたくなる感じとか、笑った時の雰囲気とか…」


「そう…なんですか?」


「あぁ…。どうして今まで気づかなかったんだろう…」


社長のお母様とありささんが似てる…?


それって…。