添い寝って…。


つまり、同じ布団で寄り添って寝る事だよね?


なんでそんなこと急に?


あきらかに戸惑っている私を見て、社長が申し訳なさそうな顔をする。


「いや、実は恥ずかしい話なんだけど…」


なになに?


なんなの?一体。


「俺…、雷が苦手なんだ」


「へっ?」


雷?


そう言えばさっきからゴロゴロ鳴っている気がする。


私は、さして気にもしてなかったけど。


「だんだんこっちに近づいてるだろ?眠れないんだ。

頼む。何もしないから、ただ横に居て欲しい」


社長のサラサラな前髪の隙間から、色っぽい瞳が見え隠れする。


どうしよう、どうしよう。


社長と同じ布団になんて。


「このお礼はちゃんとするから。頼む…」


社長にこんな頼み方をされるのは初めてで、私の心はグラグラしてしまう。


私は苦笑いしながら、うなずいた。


「じゃあ、来て…」


社長の後に続いて、私も社長の部屋へと入る。


当然だけど、私がこの部屋に入るのは初めて。


ベッドの横にあるライトだけが照らされて、中は少し薄暗い。


社長の部屋はベッドと本棚とパソコンデスクがあるだけの、いたってシンプルな部屋だった。