マンションに帰ると、私と社長は順番にシャワーを浴び、それぞれの部屋へと入った。


部屋に入るなり、私はベッドに突っ伏した。


社長って、よくわからない。


仕事に厳しいし、色々命令されて怖い人だと思ってた。


私の事なんて全然見てないと思っていたのに、意外と私のことを理解していたりする。


優しいの?冷たいの?


本当の社長はどっち…?


そんなことを考えながら、私はいつの間にか眠ってしまっていた。







コンコンとドアを叩く音がする。


その音にビックリして跳ね起きた。


はい…と寝ぼけ眼で時計を見ると、針は12時を指していた。


社長が私の部屋に来る事は今まで一度もなかったし、こんな夜中なので余計に心臓がドキドキしてしまう。


カチャンと静かに扉を開けると。


「水沢…」


社長が申し訳なさそうに立っていた。


「あの、どうかなさいましたか?」


気のせいかな。


社長、少し顔色が悪いような…。


「気分が悪いんですか?何か飲まれますか?私、お湯を沸かして来ます」


そう言って廊下に出た途端、ガシッと腕を掴まれた。


強い感触に、ドクンと心臓が跳ね上がる。


どうしよう。


ドキドキして社長が見れない。


「何もいらない。ただ…」


「ただ…?」


恐る恐る振り返る。


「添い寝してもらえないか…?」


ん?


んん?


「添い寝?」


ポカンとして問いかけると、社長はコクンと頷いた。


な、なななんですとーーー???