朝日さんの大きな手が私の後頭部を押さえつけ、反対の手は私の背中をぐっと支えている。


以前にされた優しい口付けとは違い、今日の朝日さんは深く深く私に唇を押し付けて来る。


唇にあたたかくやわらかいものが触れ、私の唇がゆっくりと開かれる。


その隙間に滑り込んで来た朝日さんのそれは、私を探し回っている。


見つけると、すかさず絡み付いて来た。


初めての感触に戸惑って唇を離そうとするけれど、朝日さんに固定されていて動こうにも動けない。


朝日さんは何度も角度を変えながら、吸い付くように私に激しく絡みつく。


余裕のない動きで迫ってくる甘い刺激に、次第に私の力が抜けていく。


「ゆ…り、ちゃん…」


甘くせつない声で私を呼ぶ朝日さん。


脳内に響くその声に私の身体は痺れて、ただ静かに朝日さんを受け入れていた。


胸がいっぱいになる。


苦しいような、せつないような、でも幸せな気持ちで…。


しばらく絡み合った後、朝日さんはゆっくりと私から唇を離した。


私を優しく見つめ、私の濡れた下唇を指でそっと拭うと、またぎゅっと抱きしめてくれる。


「由梨ちゃんが好きだ…。もう待ちきれないよ……」


朝日さんの言葉に、胸がキュンとしてしまう。


私も…。


早く朝日さんの彼女になりたい…。


私達は息を潜めて、しばらくその場で抱きしめ合った。