朝日さんとゲームコーナーってなんだか結びつかないけれど、他に行くところもないし、私は朝日さんに付いて行った。


朝日さんが優しい目で何度も振り返ってくれて、そのたびに胸が熱くなった。


「ビックリしたよ。まさかこんなところで由梨ちゃんと夏樹に会うなんて思わなかった」


朝日さんは少し苦笑いをした。


「私も驚きました。私と朝日さんって、よく偶然会いますよね」


私がそう言うと、朝日さんは近くにあった椅子に腰を下ろした。


私もその隣にそっと座る。


「由梨ちゃん。今日はね、ありさにどうしてもって誘われてここへ来たんだ。
僕は本当は来たくなかったんだけど…」


朝日さんの言葉に、なんだかいたたまれない気持ちになった。


「ごめん。なんだか僕、言い訳がましいよね」


朝日さんが申し訳なさそうに眉を曲げる。


「ずっと別れて欲しいって言ってるんだけど、いつもありさにうまくはぐらかされてしまうんだ」


今日のありささんは、今まで見た中で一番明るく振る舞っている気がした。


もしかしたら、かなり無理をしているのかもしれない。


朝日さんと別れたくないから…。


「こんな形だけど、でも。由梨ちゃんに会えてすごく嬉しい。
実際に会うのは、本当に久しぶりだから」


朝日さんにの言葉に、胸がキュンとしてしまう。


「そうだ、由梨ちゃん。一緒にプリクラ撮ろうよ」


突然の朝日さんの提案に、ぎょっとして目を見開いた。


「え、でも。なんか恥ずかしいです」


「いいからいいから」


私の小さな抵抗もむなしく、朝日さんは私の腕を引いてプリクラの機械の中へと私を連れて行ってしまった。