突然の彼の誘いに、どうリアクションしていいかわからず固まってしまう。


「あっ、ごめん。女の子に初対面でいきなり誘ったりして失礼だったよね。ホントにごめんね」


お、おお女の子……?


「いえ、あの、そんなことは…」


「でも、よかったらまた会って話したいな。ちゃんとお礼もしたいし。

連絡先とか聞いていいかな」


「えぇぇっ?」


思わず仰け反って、声を大きく張り上げた。


「ご、ごめんね。また驚かせて」


うぅぅ、恥ずかしい。


私って優しい男性に免疫がなさ過ぎる。


「今日会ったばっかりなのに、連絡先なんて聞いちゃ失礼だよね。

でも僕、また由梨ちゃんに会いたいな。

どうすれば会えるかな」


うー、なんなんでしょ?この人。


誰にでもこういうことを言う人なのかな。


だとしたら、すごく罪な人だ。


「私、隣町のイタリアンレストランで仕事してるんです」


「えっ、なんていうお店?」


「ラルナエッドイルソーレっていうお店です」


「由梨ちゃん、そこで仕事してるの?」


「はい。短大を卒業して、この春に就職したんです」


「そうか。じゃあそのお店に会いに行くね」


まるで花が咲いたように笑う朝日さん。


その笑顔にすっかり魅了された私は、もしかしたら半分口が開いていたかもしれない。