「お前にはキツイかな?」


社長がソファのヘリに頬杖をつく。


「そうですね。

私、ちょっと自信ないです…」


私がそう言うと、社長は何か考えるような顔をした。


カチッカチッと壁時計の秒針の音が聞こえる。


この沈黙に息が苦しくなる。


「水沢」


社長が私を見つめる。


な、なんだろう。


社長はなぜか優しい目だ。


「俺と付き合うか?」


「は?」


な、何それ?


「あの、からかうのやめていただけませんか?」


こっちは真剣なのに。


私、今絶対ひどい顔してるはず。


「あのなあ、冗談でこんな事言うわけないだろう?」


え…?