覚悟…?


それは、朝日さんを信じて待つということだよね?


朝日さんも言ってた。


そう簡単には別れられないって。


いつまでかかるの?


一ヶ月?


半年?


私、待てるの…?


「なぁ、水沢」


「はい」


「お前と朝日、もうヤッた?」


「やったって何をですか?」


きょとんと首をかしげてみれば、明らかにひきつっている社長の顔。


「そこまでお子様とは思わなかった。

いいよ。

まだだってわかったから」


何をひとりで納得してるんだろう?


「ヤッてないんなら、愛人にならずに済む方法があるぞ」


「え…?」
 

「教えてやろうか?」


社長がニヤリと笑った。


愛人だなんて。


そんなのなりたいわけないよ。


「…教えて…ください…」


ぼそっとつぶやくと、社長がサラサラの前髪をかきあげた。