「私……。
今回のことで、おばあちゃんと向き合えた……。
だから、もう恐れない」
「………花音?」
私の言葉に、首を傾げる優くん。
「…………お父さんのところへ、行かなきゃ……」
これは、
おばあちゃんが亡くなったときに、少しだけ確信していたこと。
私はもう、あの家には住めない。
だから、お父さんのもとへと行かなくちゃいけないのです。
それは逆に、お父さんと向き合えるチャンスだと思えたのです。
きっと、優くんのおかげだね。
「…………そっか 」
優くんは、力なく笑った。
「優くん。
私、優くんのおかげで、たくさんのことを思い出した。
忘れてたこと。
失いかけていた気持ち。
大切なこと……。
全部……優くんが教えてくれたの」