「…………っ!!」
ハッとした花音。
彼女の瞳から、一筋の涙が頬を伝った。
「…………わ……たし……は………」
声が聞こえた。
俺の、大好きな声が。
「…………私はまだ………
…………あきらめたくない!!」
……な?
花音は声を諦めなかった。
本当の花音は、お前だろ?
想いを言葉にすることを、諦めないのが……
俺の大好きな、花音だろ?
ノートを大切に抱きしめるその姿が、
なによりの証拠。
───……君は誰よりも、想いを大切にしていた。
泣くな花音。
お前は……泣き虫なんかじゃなかった。
すっげー、強い心を、持ってたんだな。