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「優くん、また来てくれてありがとう」
花音の家に着くと、出てきたのは花音のお父さんだった。
玄関にはたくさんの靴があり、親戚の人たちが来てることが分かる。
「はい。
花音と、ちゃんと話します」
「……え?
あの子は声が出ないから……」
お父さんは不思議そうな顔をする。
花音が話せないと思ってるんだろう。
「大丈夫です。ちゃんと花音は、言葉にできます」
でも、俺たちにはあるんだ。
想いを言葉にする、ひとつの手段。
「そうか。花音を、救ってやってくれ」
「はい!」
ノートが、あるんだよ。