「私……あの頃すごく、弱かった。 毎日泣いてた…。泣き虫だね」 涙がポロポロと溢れて……。 そんな君を、泣き虫とは言えなかった。 そんな辛い思いをしてきて、 なぜ笑っていられた? むしろそう聞きたいくらいだった。 「……話してくれて、ありがとう」 俺はそう言うと、花音を引き寄せギュッと抱きしめた。 強く、強く、力任せにただ……。 強く、強く、いなくならないように。 小さくて華奢な花音を抱きしめた。