「佐倉なら、体育倉庫の方に用具片付けに行ったよ」
同じクラスの佐倉の友達に、佐倉の居場所を聞いた。
花音が出ていた男女混合リレーで、午前の競技が終わったため、みんながぞろぞろと動き出していた頃。
「サンキュ」
教えてくれた子達に、それだけ言うと俺は体育倉庫の方へ向かった。
体育倉庫に着くと、佐倉は用具を片付け終えていて、近くにある水場で手を洗っていた。
そして、近づいていく俺に気づいた。
「あっ…。三浦」
「お疲れ」
「ん……。お疲れ。1位、おめでと」
「サンキュ」
ぎくしゃくとしたやり取りだけど、佐倉はちゃんと、話してくれた。
告白した側は、された側よりもきっと、ずっと勇気がいるのに。
でも、それでも……
伝えないといけない想いがある。