「木崎さん、お疲れ!すごく速くてびっくりしちゃった!!」
「木崎さん、すげぇ!俺よりも速いんじゃね!?」
「ほんとにコケてごめん。木崎のおかげで助かったよ」
リレーに出てたクラスメイトの人たちが、私の周りに集まってきた。
…こんなたくさんの人が話しかけてくれたのは、初めてで。
ちょっとびっくりしたけど、それよりも、すごく嬉しかった。
「初めて…話すよね?ごめんね。
木崎さん、声出ないって聞いてたから、今までどう声かけていいか分からなくて…」
1人の女の子が、私の前にきて、話してくれた。
「でも、もっと話しておけば良かった!
ねぇ、これから木崎さんのこと、いろいろ教えて?」
そう言ってくれた。
……神様。
どうしよう……私、泣きそう。
「良かったら、友達になろ?」
ニコッと笑う目の前の女の子は、私に手を差し出す。
その手を見て、とうとう涙が溢れ出した。
「わっ!どうしたの!?花音ちゃん!」
私が泣き出したせいで、みんなが焦り出した。