「木崎っ!!!」




そう呼ぶ沢田くんのもとへ、バトンを繋げる。



パシッと、力強くバトンを手渡した。



「うっしゃ!!あとは任せろ!!」



「……っ!!」



走り終えた心地よさ。


はぁっと、息を整える。





「すごいっ。ビリから2位に戻った…」

「木崎さん、速い……」


そんな声がひそひそと周りから聞こえたけど、気にせずに私は振り返った。



大好きな声が聞こえた方向。




……どこから聞こえたんだろう?



……でも、ありがとう。



優くん。

優くんの声は不思議。




魔法の言葉は、私の足を速くしてくれた。




……大好き。