みるみるうちに、私たちのクラスは抜かされて行く。 せっかく2位だったのに、一瞬にしてビリになってしまった。 怪我してる足を、必死に動かして向かってくるクラスの男の子。 「まじ、ごめん!」 そう言って、辛そうな顔で私にバトンを渡す。 そんな顔しないで。 みんな笑っていて。 私……このクラスを大切にしたい。 優くんみたいに、走らなきゃ。 ただまっすぐに前を見つめて。 ──大きく一歩を踏み出したとき…。