俺には、お前だけだって。



いくら陽果によく鈍いって言われる私でも流石に、これは分かるよ。

この台詞は、どんな存在の相手に向けられて言う台詞かぐらい。



分かるよ、分かる。

でもね、分かりたくないの。



受け入れたくない。

出来るなら、聞かなかったことにしたい。



これ以上、ここにいたくない。

誰もいない場所に逃げてしまいたい。




でも、ここまで来たら相手が誰なのか知りたいと思ってしまう私は、バカなのかな?



相手が誰であったって、傷付くことは分かってるのに。

相手が誰であったって、先生を諦めきれるわけがないってことだって分かってるのに。




それでも、それでも。


先生を好きになって、先生も好きになってくれる。

私が憧れて望み続けた夢を現実としてみせた相手をどうしても、知りたいの。