やっぱりそこにいたのは明らかに機嫌が悪い千堂くん。

朝だからまだ眠いのかな?

思いっきり眉間に皴が寄っている。


派手な髪色で背が高いのに、そんな顔してたら怖すぎる。





「てか、二人してどうって聞くけどさ……一日くらいで得意になったりしないよ?」





そんな簡単に数学が出来るようになるわけないじゃん。

いつから数学なんて真面目にやってこなかったと思ってるの?


それに昨日はドキドキしすぎて正直ほとんど頭に入らなかったし。



急に静かになったことを不審に思って隣と後ろ、交互に見渡す。

……ど、どうかしたのかな?





「ちがーうっっ!!」

「………はぁ」





状況を把握できないでいると、陽果は突然叫んで、千堂くんはため息をつきながら頭を抱えてしまった。


え、二人とも何?

どうしたの?




「もう、良い。阿波のバーカ」




千堂くんは困惑したままの私に説明することなく、そんな聞き捨てならない爆弾を投下して自分の席へと行ってしまった。