再び私に差し出された苺ミルク。
えっと……あげるって言ってるし貰っていいのかな?
「……貰ってくれないのか?」
「喜んで頂戴します!」
ああ、もうだから本当にやめて欲しい。
先生から貰うものを私が断れるわけがない。
だから、お願い。
そんな潤んだ瞳を私に向けないで。
「阿波は優しいな!」
「ーー…っ」
受け取ってもらえたことに満足したのか、先生はパッと笑顔になる。
その笑顔に胸をときめかせる猶予さえ与えずに、伸びてきた手が私の頭を雑に撫でた。
……ずるい、本当にずるいです。
せっかく綺麗にセットしてきた髪がぐしゃぐしゃになったのに、そんなこと気にならない。
だってそれ以上に私の心が掻き乱されてぐしゃぐしゃだから。
あんまり私をドキドキさせないで。
私は感情が顔に出やすいんだから、気付かれちゃったらどうするんですか。
唇を固く結び顔を隠すように俯いた。