珍しいものを見つけたかのような視線を陽果にむける千堂くん。

ああ、更に陽果が混乱しちゃう……。


なんて不安に思ってたら、突然、目が合った。




「なに、千堂くん?」

「ん?今日、頑張れよ」



ポン、と右手を私の頭に置いて何だか意味深に微笑んだ千堂くん。




「………ずいぶん、楽しそうだね?」

「いや、楽しくねーけど?」




う、嘘つき!

何この人サラッと嘘ついちゃってるの。


思いっきり口角上がってるじゃん。




「私は勉強を教えてもらうだーけ!ほらっ、陽果教室に行くよ」




頭に乗った千堂くんの手を払いのけて、私は陽果の腕を引っぱる。

さっきまで混乱してたはずの陽果は、もう千堂くんと同じような顔をして楽しんでる。


な、なによ二人とも。

別に告白するわけでもないのに何でそんなに楽しそうなのよ……!!