「ん、じゃあ月曜な?気を付けて帰れよ」
そう言うと伸びてきた先生の手は、私の頭をポンポンと優しく撫でた。
……え。
状況を理解した途端、ぼんっと頰が熱を持つ。
いや、頰がとか、そんな次元じゃ無い。
顔が、体が、尋常じゃ無いほど熱い。
だけどそんな私に気付きもせずに先生は、職員室の中に消えていった。
突然の出来事に私は何も言えずに、ただ去っていく背中を見つめることしか出来なかった。
「……顔、真っ赤」
その姿が完全に見えなくなるとドアを閉めて、千堂くんは面白くなさそうにそう呟いた。
……やっぱり、赤いよね。
でも、仕方がないでしょ。
……あんな笑顔でポンポンするなんて、どう考えたって反則だよ。
先生の大きくて優しい手の感触の残る頭にそっと触れると、思わず顔がにやけた。
うぅ、恥ずかしい。
でも、嬉しい。
私、こんなんで月曜から大丈夫かな?
絶対、心臓いくつあっても足りないよ。
……早く、月曜日になりますように。そう願わずにはいられなかった。