「茜ー!卒業おめでとー!!」
体が吹き飛びそうな程の勢いで、後ろから陽果に抱きつかれた。
そんな彼女を苦笑いしながら引き剥がす。
「陽果も卒業おめでとう」
彼女の目は既に真っ赤で、式の間だいぶ泣いたんだろうなって思った。
雲ひとつない、快晴。
今日で私たちは卒業する。
色んな思い出の詰まったここを、旅立つんだ。
「まずは二人で写真撮ろうよ!」
「うん、そうだね」
卒業証書を片手に、陽果と肩を組む。
一度は捨てたこの定位置。
一度は諦めた、こんな未来。
ーーカシャ。
「ふふん。上手く撮れたかな〜」
ありがとね、陽果。
こんな私のそばにずっといてくれて、本当にありがとう。
私の人生で陽果に出会えたことが、陽果と親友になれたことが、一番の誇りだよ。
照れくさくてなかなか言えないけど、本当に大好きだよ。