律や恋那ちゃんを巻き込んで、出来上がった嘘の物語。

そうやって先生を助けようとした優等生のポジションを私は手に入れた。



だから何もなかったかのような顔をして、そばにいられた。



だけど、分からないから不安になるの。

先生が好きな私は本当の私なのか、それとも、沢山の人を巻き込んで、苦しんで、作り上げられた偽の私なのか。



「えっと、忙しい……?」




そして、嘘を重ねてまで手に入れる存在に意味はあるのか、私には分からないんだ。




「ううん、そんなことないです。全然大丈夫」




だけど、これがきっと私が望んだ未来。

欲しくて欲しくて堪らなかったポジションが手に入るのに、躊躇う必要なんて無い。




「そっか、なら良かったら。じゃあみんなと写真撮り終えてバイバイしたら、ここに来て?」

「うん、分かった……っ」