陽果の言葉に何度も首を縦に振った。
チョコパフェでも苺パフェでも、プリンアラモードでも、何でも奢る。
「やった。じゃあこれから一週間くらい奢ってもらおうかな〜」
そう言うと機嫌よく立ち上がった陽果。
その時、初めて気付いた。
丁度視界に入ってきた陽果の手は、これでもかというほど強く握られて、震えていた。
その手に、そっと触れた。
「……茜?」
「……ごめんね、ありがとう、陽果」
もう嘘もつかないし、隠し事もしたりしない。
陽果を裏切るような真似はしないから。
私のそばにいることを、選んでくれてありがとう。
「早速、パフェ食べに行く?」
「うん。近くに新しいカフェがオープンしたらしいから、そこにしない?」
そういうと陽果はにっこりと笑った。
久しぶりに、彼女の八重歯を見た瞬間だった。