「女子高生に騙されるとか、どんだけバカなんだよ……」
現に今も騙されようとしてることを知らずに、私の方へと歩いてくる。
「……ごめんな、阿波」
私はこの嘘をつき続ける自信を既に無くしそうだった。
だって先生が謝るだけで、本当のことを言ってしまいたくなる。
襲ってくる罪悪感から、逃れたくなる。
でもこれは、私だけの問題じゃないから、そんなこと許されない。
「……私も、ごめんなさい…っ」
本当は私、先生に会いに来る資格すらないの。
悪者にしちまったじゃない、私は本当に悪者なの。
また視界が歪んでいく。
泣いても許されるわけじゃないって分かってるし、許してほしいわけでもないの。
「ごめんなさい…先生……っ」