「あぁ、平気だ。むしろ、傷付けばいいよ。どうしようもないくらいに傷付いて、一人じゃ歩けなくなればいい」
「……っ!」
「それで俺に縋りつけばいい。俺に甘えて、頼って、依存して。俺から離れられなくなればいいんだ」
「ほ、本気で言ってるの!?」
勢いよく顔を上げた陽果の顔は真っ赤で、怒りに染まっていた。
それによって、瞳は潤んで、声は震えていた。
やっぱり、彼女は強い。
律の冷ややかな瞳を前に、しっかりと自分の想いを言えるんだから。
「……本気だけど?」
そういった瞬間、パシンと乾いた音が辺りに響いた。
陽果が思い切り、律の頬をぶった。
ここまで来るとクラスメートは見たら悪い気がするのか、視線を反らしだす。
律が陽果に、ではなく手をあげたのが陽果だったので担任も、どうするべきが悩み、立ち尽くしている。
「最低っ!」
興奮が収まらない陽果に、頬を押さえならジッと床を見つめる律。
この状況で私はどうするべきなんだろう。