「茜、おいっ…!」
むなしくなって逃げ出そうとしたのに、律が手を掴んで、それを許してくれない。
「放課後、数学準備室ーー分かったな?」
行けば、分かるのかな。
だったら……。
私は、その言葉に首を縦にふった。
すると満足そうに、でも、どこか切なげに律が微笑んだ。
放課後になったら、この胸が締め付けられるような笑顔の理由も、分かるのかな?
放課後、起きようとしてることは何なんだろう。
そして私は、この目で見て、耐えることが出来るのかな。
……先生の出した答えは、その時に聞こう。
恋那ちゃんもいるなら丁度いいのかもしれない。
先生だもん。
ちゃんとした答えを出したはず。
一時期の感情に流されて、判断を間違えたりしないよね?
「なら、教室行くか」
「……そうだね」
……きっと大丈夫だよね、先生。