もしかしたら両想いかもしれないのに、私の存在が彼の恋を邪魔してたら……そう思うと、辛くてたまらない。
だけど、そんな私の想いはよそに、時間は流れていく。
色んなことが、変わっていく。
変えようとしたのは、それを望んだのは他の誰でもない私。
だから、私は変わっていくものに身を任せ、流されていくだけ。
「……陽果…っ」
ただそれは、変えたくないものまで変えていく。
階段に差し掛かった時、陽果が上ってきた。
職員室にでも、行ってたのかな…?
「ん?」
声を掛けると、私に気づいた陽果は慌てて笑顔を作って、首を傾げた。
だけど彼女の視線が、纏うものが 、早くここから立ち去りたい、そう言ってる気がする。
そして私は何て言ったら良いかが分からなくなるんだ。
ここ最近、明らかに陽果は私のことを避けていた。