「さすが阿波!いやー、先生は阿波ならやってくれると信じてたよ」
そう思って手を挙げた私の真意なんて知らない担任はご機嫌。
……そうですか、はい。
そんな媚売ってこなくて良いから、早く男子を決めて欲しい。
特に仲の良い男子はいないから誰でも良い。
「んじゃ、男子は……」
「ーー俺がやる」
……彼を除いて、そう思ったのに。
聞こえてきた声に立候補したことを一瞬で後悔した。
何で……どう考えたってそんなことやるタイプじゃないじゃん。
「おお、千堂!!お前がやってくれるのか!!」
あの泣きついた日以降、全く喋ってないのに気まずいにもほどがある。
だって絶対わざとじゃん。
私が立候補してなかったら、絶対千堂くんだって手を挙げたりなんかしなかったでしょ。
……ああ、悩みが増えそう。
何だか全ての行動が裏目に出てる気がしてならなかった。