力一杯両手を握りしめる。
……大丈夫、大丈夫。
何が大丈夫で、何が大丈夫じゃないのか、もうそれすら分からずに、ひたすら心のなかで唱える。
「恋那ちゃんは…憧れだったりして」
「……っ」
恋那ちゃん " は " と言って、私は違うと小さく反抗しておく。
だって、いくら先生でも。
この想いを否定したのは許せないから。
この想いは本物だから。
たとえ、誰に反対されたって変わらない。
私は、先生が好きです。
誰よりも先生が好きなんです。
だから、先生。
私を嫌ってください。
嫌いで憎くて、どんなに恨んでも許せないくらいに、私のことを嫌って。
そして、一生、私を忘れないでください。
……これから卒業まで、精一杯、貴方を傷つけてみせるから。