「え、ちょ、おい」


あたしは部屋を飛び出した。


なんなのアイツ!?
頭の中エロいことしかないわけ!?

こんなことなら処女のままの方がよかった!!


「ゴキゲンナナメだねー、愛梨」


突然声をかけられた。
え、誰?


「あれ、俺の事覚えてないの?」


どちら様でしょうか。
あなたのようなイケメンさん知り合いにいません。

「ごめんなさい。会ったことあります?」


「えー、ひでー。まぁ、最後に会ったの4歳だったし無理もねぇか。谷虎之助(たに とらのすけ)だよ」


「たに…とらのすけ……。あ!!」


「思い出した感じ?」


思い出した…。
こいつ4歳にして天才…。
家が近所だったんだけど、留学するからっていって引っ越したんだ…。
あれ以来…ってことか。


「天才の虎之助ですごかったもんね」