なあ、
話しかけてみてもそいつは表情一つ変えずに「なんですか」。えらく淡白に答えた。外見・仕草ともに綺麗であるけれど、年相応だと思わせるのはきっと短くて少しはねた猫っ毛のせいだ。それ以外の節は思いつかない。見つけたとしてもその時俺はよぼよぼのおじいちゃんだ。


で、ここで判ってほしいのは俺は興味もなにもない奴に話しかけたりしないってことで、つまりはこいつに、安野泉に興味があるわけだ。でも恋じゃない、心臓だってドキドキしない、そいつのことを四六時中考えるわけでもない、ただの興味で、恋ではないということ。




安野 泉のことを教えよう。

彼女は 感情の大部分 が 欠落 している




_